去る11月19日、日本医師会では以下の通り国民医療を守る医師総決起大会を開
催し決議を行い終了いたしました。
国民医療を守る医師総決起大会
日 時 平成8年11月19日(火)午後2時
場 所 虎ノ門ホール(国立教育会館内)
大会スローガン
1.医療は国民のものであるとの基本理念の確立
1.21世紀に対応できる医療保障制度の充実
1.患者の立場に立った医療保険制度の構築
1.安心して老後が託せる公的介護保険制度の創設
1.かかりつけ医中心の地域医療・福祉の推進
宣 言
昭和36年に創設された国民皆保険制度は今やわが国を世界一の長寿国に育成し
て来たといっても過言ではない。国民を中心に関係諸団体の長年にわたる努力と協調
によって、最低のコストによって最大の効果を上げて来たわが国の国民皆保険制度は
、国際的にも極めて高く評価されていることは周知の事実である。
長寿社会における高齢者数と長期疾病の増加、更に国民のより快適な老後生活への
希求と医学医療の進歩などは人為的にこれらを制御することは不可能である。
したがって、医療費の増高は国民のニーズとして止むを得ないものであり、これを
今後の医療政策の基本に位置づけるべきである。殊に、高齢社会における生産人口の
減少による社会活性の低下は最も憂慮されるべき事態である。これを乗り越えGNP
の上昇を図るには何をおいても高齢者の健康を保障し、出来るだけ多くの高齢者が社
会参加の場を拡大して行けるよう適切な環境づくりこそ急がなければならない。
このような背景にあって国民は今後ますますわが国の医療保障の強化充実をのぞむ
ことは必至の情勢である。
しかるに今回の医療保険改革は、21世紀を展望した理念が全く欠落しており、
財政中心主義の小手先の改悪に終始して来た。更に最近に至っては国民皆保険制度そ
のものを崩壊させるが如き見直しの発言すら公然と行われている。このことは明らか
に医療保障の理念の後退と断ぜざるをえない。
我々医療担当者は常に国民サイドに立ち、国民と共に来るべき二十一世紀の高齢社
会を健康で明るく乗り切って行きたいと考えている。
このような考え方から来るべき医療保険改革については、先ず我々の基本的方向を
明らかにし、その実現に向けてあらゆる努力を尽くしていくことを、ここに宣言する
。
決 議
本大会は、開催趣旨に則り、次のとおり決議する。
記
1、国民皆保険制度を堅持
1、医学医療の進歩と医療の質の確保
1、保険料、国庫負担による財政基盤の確立
1、公的介護保険制度の早期実現
以上決議する。
平成8年11月19日
国民医療を守る医師総決起大会